2010年 06月 04日
明るい農村 |

かつて、阿武隈地域は小麦文化圏であった。時代と共に生産量は減少し、小麦は自家消費ていどの生産量となり、市場から阿武隈地域の小麦は姿を消した。決して風土に合わなかったわけではない。市場経済から弾き飛ばされたのである。
代わって、水田転作作物として奨励されたのが蕎麦であった。そもそも救荒作物である蕎麦は、日本全国どこでも栽培できる。がしかし、品質となると、適地はある。阿武隈地域は福島県にあって、会津に次ぐ産地となったが、残念ながら、蕎麦文化を語れるほど食としての深さがない。端的に言うならば、蕎麦つゆがそうだ、ひどいところは、本格を標榜しながら、市販のつゆをベースに干し椎茸を入れて、涼しい顔をしているところもある。これから阿武隈地域がより質の高い食文化が育成されるよう、携わる者が襟を正して向き合わなければならない。と思うのだが。
by kawauchiide
| 2010-06-04 10:26